2014年春が到来、稀に見る豪雪でアクセス難にあった湖稜庵への車の往来が復活しました。今春から経営考房の湖稜庵研修所に所蔵の経営書の中から、毎月テーマを決めて「経営名著精読会(解説)」を開催することとしました。
第1回は4月20日に湖稜庵で開催し、1996年の初版以来世界的大ベストセラーとなっている「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー著)を採り上げました(①~⑦)。
【第1部】パラダイムと原則:「正しい生き方なくして真の成功はあり得ない」としてインサイド・アウト(内から外へ変わる=私的成功が公的成功に先立つ)に基づく見方・考え方のパラダイム転換の大原則を解説。一枚の絵(悲しげな老婆にも、若く華麗な美女にも見える)では盛り上がりました。
【第2部】私的成功:①自己責任の原則(主体性を発揮する)では「成功は失敗の彼方にある」とした主体的な生き方を志向し、人材育成の基本である知識・スキル・ヤル気の3つの習慣を伸ばすべく努力すること。②自己リーダーシップの原則(目的を持って始める)では「人生の最後の姿を描き、それを念頭において今日という一日を始める」即ち個人的信条・価値観を持ちこうした中心から変わること。③自己管理の原則(重要事項を優先する)では「成功者の共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけている」とした時間管理の大切さ、特に大事を小事の犠牲にしてはならないこと。
【第3部】公的成功:④人間関係におけるリーダーシップの原則(WinWinを考える)は「すべての対人関係において成功するための基礎」であり、人格・関係・合意・システム・プロセスの5つの柱によって支えられていること。⑤感情移入のコミュニケーションの原則(理解して理解される)では「素人は商品を売り、プロはニーズや問題に対する解決を売る」という営業の基本例示など、心の底から相手を理解しようと努めること。⑥創造的な協力の原則(相乗効果を発揮する)では有名な「動物学校」の逸話から他者との相違点を尊びつつ最大のシナジー発揮を目指すことこそ人生における最も崇高な活動であること。
【第4部】更新再生:⑦バランスのとれた自己再新再生の原則(刃を研ぐ)では「自分自身という最も大切な資源を維持する」ため、(ⅰ)肉体面:週に3~6時間運動する、(ⅱ)精神面:毎日頭と心の平安を保つ瞑想を行う、(ⅲ)知性面:定期的に優れた本を読む[以上、①~③の習慣と関連]、(ⅳ)社会・情緒面:豊かさマインドを持つ[④~⑥の習慣と関連]、という人間が自然から授かった4つの能力をバランスよく伸ばすこと。