今日は公的機関の無料相談会に対応してきました。こうした経営相談で多いケースの一つに、過年度の資産償却不足の問題があります。
それは金融機関が未償却を加味して、実態修正バランスシート(貸借対照表)で当該企業の良し悪しを判断するのに対し、当の企業はその見直しによる実質債務超過(プラスの筈の資本がマイナス)を理解できていない訳です。こうした会社は当然ながら非正常融資先になり、安定した金融支援は覚束なくなり、中にはある日突然支援打ち切り(全額返済要求等)ということも無きにしもあらずなのです。
今日の相談者は、過去20年にわたり表面的な見せ掛けの黒字を確保するため減価償却を見送り続けた…ある意味、不幸なケース。こうした誤った経営判断をし続けたきたご高齢の社長が入院され、後継予定の息子さんが決算書を持参されて漸く自覚されました。
オーナー経営が大半の中小企業における事業承継への取り組みのあり方、スムーズな権限委譲、そして基本的な財務理解力など…経営者の方は心して頂きたいものです。
因みに、当該企業の場合は、給与を貰え続けてきた息子さんにとって、溜まり込んだ未償却残が数千万円という指摘は青天の霹靂の事態(○_○)!!若いパワーで頑張って欲しいと勇気づけて散会と相成りました。