やまなみ街道開通に期待膨らむ世羅町

今朝の日経MJ「街づくり」欄に世羅町が紹介されました。ここは“年末”の都大路で8度目の全国優勝を飾った世羅高校で有名な駅伝の町。“年始”の箱根駅伝で青山学院大学を創部100年弱で初めて優勝に導いた原監督の母校でもあり、今の広島で一番ホットな町と言っていいでしょう。
実は、この町を明るくする別の話題として、高速道路の尾道~松江線(通称中国やまなみ街道)が3月に全線開通があります。世羅台地はかつて、戦後の食糧難からの脱却を担う国県営農業開発地として期待されたところ。しかし、高度成長期以降の時代変化の中で、農業生産の使命は薄まり地域経済は停滞を余儀なくされていました(注)。
私はちょうどその頃(20年前)、前職の広島銀行から出向で、ひろぎん経済研究所に在籍しており、広島県庁農政部の委託を受けて「広島県農業・農村活性化調査」を担当。全県ゾーニングと役割付けしながら、人口減と少子高齢化なども相俟って元気を失いつつある中山間・島しょ部を行脚(彩ビジネスで有名な徳島県上勝町など全国事例も視察)。広島の農村活性化について1年掛かりで取り纏めました。
この世羅地域には、緑や実りを体験出来る都市住民との交流ゾーンとしての機能が望まれる…等の提言をさせて頂きました。世羅には現在、提言の一環としての農村公園も開設され、農業においても6次産業化や花・フルーツの観光色を前面に打ち出した企業的農家が育っています。
瀬戸内しまなみ海道との結接によって四国と山陽、山陰を結ぶ中四国の大動脈が遂に開通します。こうした交流機能が飛躍的に高まり、地域が更に元気になるよう期待したいものです。
(注)広島県は海・山に恵まれてる反面、1軒あたりの耕作面積が小さいので農業においてはハンディキャップが大。そのため戦前からハワイ等への移民が多く、戦後も農業だけでは食べていけないので兼業農家が多い県。広大な世羅台地は広島では稀な大規模営農が可能な土地で、特に果樹・牧畜等の稼げる企業的な専業農家を目指して、ベンチャースピリットのある農業青年が夢を描いて集まりました。

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