【経営のプチ勘所vol.4 逸品~CVSを凌駕する田舎のオバチャン達~】
先日、広島市の要請を受けて、流行りの「街ゼミ」に地元サポーター役として臨席。
その時に同じだなぁ…と思ったのは「一店逸品運動」です。
どちらも有効性が認められている有力な商店街活性化策ですが、ポイントは商店主そのものの拘りや利益率の高い差別的商品について、お客様にその価値を伝え理解して貰うことで、固定ファン層の創出・拡大を狙うもの。
そのロジックは小生が指導時に使っているレジュメ「ABC分析」で、一番売れるA商品群(一般に低利益)ではなく、B商品群(高利益も少なくない)の中から逸品候補を掘り起こして訴求していくのが既存店の手法。つまりBランクの“儲け筋”逸品にスポットを当てて、量販可能なAランクに引き上げることで、稼げる差別的な“売り筋”商品へと育てる訳です。
さて、写真は戸河内IC出口すぐの交差点付近に立地するセブンイレブンとその奥に隣接する4軒の小さなお店(4連の三角屋根)。
このうちの1軒に「おふくろ弁当」という地元のおばちゃん達が中心で運営しているお店があります。ここはその名の通り、往来する車客を相手に弁当を販売しているんですが、なんと隣のセブンイレブンを完全にのみ込んでいるように見えます。
“売り=逸品”は?天むす、おにぎりをベースに煮物や鶏の山賊焼き、全国表彰のコロッケも人気で、あの田舎にも関わらず平日でも結構売れています。
そこは診断士…セブンイレブンのコーナーをチェックしてみると、あのキラーコンテンツ?おにぎりの数が少ない…つまり隣のおばちゃんの店に降参して仕入れ量を減らしている訳です。コンビニにとって、数も売れて利益も稼げる筈の“逸品”である?おにぎり&弁当類(最大の高利益商品群)の足下を救って頑張っている田舎の個店。
チェーンでもない小さな地元店の活躍の秘訣…全てで勝つ必要はない、どこかで突き抜ける秀逸な商売!たとえ大きくなくてもキラリと光る経営に可能性を感じます。