【経営のプチ勘所vol.29:7月1日(土)経営考房 湖稜庵研修所プレゼンツ「経営の達人3本建て講演会」~②広島大学生物生産学部 三本木副学部長:講演要旨~】

「バーナード組織論の現場での応用」
広島大学生物生産学部 副学部長 三本木 至宏
〇謹読者(私)の研究動機
・バーナードが大著「経営者の役割(The Functions of the Executives)」を発行したのは1938年。21世紀の今日もなお組織論のバイブルとされる同書だが、現代社会での経験からくる違和感から、改めて原書を読み込み3つのエピソードを通して幾つかの最適訳を提起しつつある(※現在全370頁のうち61頁訳読:研究途上)。
〇エピソード(1)
・組織の存続条件は従来、①有効性(effective)と、②能率(efficient)と表現され、謂わば経営学の常識とされてきた。それに対し、三本木氏は現場フィルターで濾過した新訳として、①効果(目的の達成)と、②効率(個人の満足)を掲げ、両条件をより明確に対比し、①はショッピングモール、②は商店街に擬えて、衰退した商店街をSC化するという解決策の限界を指摘。
〇エピソード(2)
・有名な公式組織の権限受容説で前提となっている「無関心圏」という概念など、バーナードが“学者”発ではなく米電話会社の社長として“実業家”発(ドラッカーと同じ土俵)で組織社会に切り込み共通理解としての経営者を紐解いたこと。
〇エピソード(3)
・奈良薬師寺食堂にある阿弥陀浄土図を示し、バーナードが概念を定義する時は「色気のない言葉」を使うこと、そして三本木氏は「色のない深層を土台とする色気は美しい」と表現された。
【山根:評】3つのエピソードとも、三本木先生によるバーナードとの時空を超えた対話が根底に流れていることに気付かされる深遠な研究発表でした。小生も学生時代に「経営者の役割」は読みましたが、何の疑問も持つことなく今日まで使ってきたキーワードについて、正に的確な指摘を聴いてハッと後ろ頭を殴られたような新鮮な感動を覚えました。

[`evernote` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です