【経営のプチ勘所vol.41:西日本豪雨災害に想う】

広島では7月9日…東日本では6月中に早々と梅雨明け宣言が出された今年は極端な空模様のようです。特に、西日本では6月28日から7月8日にかけて台風7号と梅雨前線の停滞で、例年通りの梅雨末期の大雨がやって来て、特に7月6日(金)夜の豪雨災害は市内のみならず県内広範囲に及び、4年前の市北部の土砂崩れを上回る未曾有の惨禍を巻き起こしました。
私も前日の5日(木)に車で尾道・福山の備後行脚に出掛けた折、午後から激しい雨が降り続き…帰り道既に至るところで路上に雨水がオーバーフローしており、非常にヤバイ雰囲気を感じながら広島に戻ってきました。翌朝は季節柄よく症状が現れる持病の尿管結石&ぎっくり腰の治療に市民病院へ行って来ましたが、この日も終始強い雨が続いて遂に夕方以降…各地で大災害が発生してしまいました。

経営的には自然災害は避けようのない不条理であり、ある意味仕方ないことかも知れない。しかしながら、東日本大震災をきっかけに大企業では非常時の緊急対応計画なるものの策定が進み、事業の機能不全を極力避ける仕組みが採り入れられつつある。そもそも大企業は組織上の拠店が分散していて、停止した機能の代替を図る組織内連携に視野を置くことで自らの裁量で円滑な運営を進めることが可能である。
それに対し、中小企業は立地上の制約や経営資源の脆弱性から自助努力による挽回には限界がある。恐らく今後、国(行政)から再建資金の無利子融資等の各種被災地支援策が打ち出されると思われますが、問題は逆境にめげずに再び復活しようとする経営者の意欲が保持できるか否かである。いくら無利子でも今以上の多額の借金を借り増して長期間の返済を余儀なくされることを思うと、尻込みして廃業を選択する経営者も少なからずあろうかと斟酌する。
瀬戸内の温暖な気候に恵まれ、これまでの常識としては災害に無縁とされてきた広島で中小企業者の支援を業として行う者として、その辺りの実情について、7年前に発生して既に集中復興期間の5年間を経過した東日本大震災の被災地訪問を今夏中に行ってみて肌身に感じてみたいと思う。