日本生産性本部(東京)にて、隔年必要とされるJQA日本経営品質賞セルフアセッサー資格の認定更新研修に参加してきました。今回の研修は、①午前:本HPで今年初に紹介の2014年版アセスメント基準書の改訂事項解説、②午後:チェーン展開する神戸のパン屋を題材としたグループ演習。
①については広島ガス高田販売㈱のJQA日本経営品質賞「経営革新推進賞」受賞のニュース記事に記述の通り、今年度の同社申請に向けた勉強会で精読して相違点や改訂の主旨を咀嚼して自ら解説していたので確認という意味合いであった。本音を言えば、この研修を受けた後であれば随分時間の節約が出来たのになぁ…というところ。
②については経営革新等支援機関として今年、パン屋の経営再建計画の策定とモニタリング実務を実践中なので難無く課題と対応策をまとめることができた。チームメンバーは大手企業の管理職を中心とした6名でしたが、個人事業主の私も臆することなく問題解決に導く“切り口”を提言。【A】製造販売業という特性を勘案した論点整理のために「QCD」+「S」、【B】混乱状態にある組織再生の勘所としてバーナード組織論の主要論点である「目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3層構造理論をレクチャー。多少出しゃばった感もしたが、結果としては8つのチームの内で一番討議内容レベルが高いとの講師評価を得ることが出来たようだ。
英知が結集する東京での研修なので、地方の1コンサルとしての自分に気後れする思いも無きにしも非ずでしたが、広島ガス高田販売㈱の受賞同様に全国レベルのフィールドの中でこそ日頃の自己研鑽の成果が再確認出来たこと点で有意義だと感じるとともに、今国が模索している都会だけではなく“地方を元気にする”という方向性の一翼を担えればと気を引き締めて帰広しました。
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2014年8月 経営革新認定
最近、業種的に多くの相談が寄せられている食品関連の事例を今月は採り上げます(8月の中小企業経営革新計画認定企業:広島県経営革新課HP参照)。「株式会社ワールド物産」は広島市安芸区で30年弱の業歴を持つ「国産にんにく」の卸売業者です。“健康”食材というフォローの風も一面ではあるものの、この間中国を中心とした低価格の海外輸入品も増加し、主力の食品スーパー市場における競合は次第に激化。当社もご多聞に漏れず厳しい価格競争に晒され、特に専門特化した食材を取り扱う当社にとって、事業環境悪化の影響はストレートに売上伸び悩みと利益率低下という事態に直結しました。こうした中、約10年前には苦境打開のために“健康”関連の新ビジネスへの多角化に活路を求めたそうですが、やはり「餅は餅屋」という言葉通り決して思惑通りには帰結せず。今回のご支援は、1年半前に先代創業社長が逝去され、急遽後を託されることとなった娘婿である近本新社長とのご縁で、代替わりを契機に新経営戦略の構築に関与させて頂いたものです。
経営革新のテーマは「食後低臭にんにくの新技術導入と拡販」という本業回帰と延長線上の実効性ある新事業。中間マージンの低下著しい既存の定番商品を主体とする「川中(卸)」からの脱却を図り、拘りの高付加価値商品を開発する「川上(製造)」展開、自社でも売り切る「川下(小売)」展開を併せた垂直的マーケット戦略が骨子。技術的な要素が絡むだけに詳細はお知らせできませんが、生産面では高品質のみならず時短・ロス削減等も同時実現する画期的な低臭加工技術の研究導入に成功の可能性を大いに期待するものです。経営革新と言えば何でも“新事業”と捉えリスク覚悟の大勝負のように勘違いする向きがありますが、ビジネスとしての成果をしっかりと見据えた方向性を描くことの大切さを自覚させてくれる好事例と言えるでしょう。
2014年7月 経営革新認定
今月は春から商店街支援ネタの陰で紹介を控えていた経営革新の支援事例を久々に採り上げます(7月の中小企業経営革新計画認定企業参照:広島県庁経営革新課HP)。今月認定を受けた「藤本表具有限会社」は、明治42年に岡山県井原市で創業後、昭和47年に現在の三原市に移転して親子4人で暖簾を守られている家族経営の老舗企業です。事業内容は日本の伝統産業である掛け軸・額等の表装の修復や制作ということで、高い技術力はあるものの「和」を中心とした需要の構造的な減退下、従来の発注元である仏具店等中間業者の疲弊等から、年々取引の縮小を余儀なくされて来られました。今回の経営革新のテーマ「高い技術力を活かした価格競争力による直接受注体制の再構築とデザイナーと提携した新商品開発」では、家族経営の“強み”を最大限発揮して仕事量を増やしながら高収益体質への転換を企図するもの。社長には4人の息子さんがおられる中、家業技能を担う次男・三男さん以外に、社外で活躍するビルダー(長男)・デザイナー(四男)のオール藤本家パワーの結集が勘所。一人ひとりの息子さんはそれぞれの道のプロであるだけに、親子皆なが助け合って一つの方向に一致団結・協力して事業に臨もうとされている姿勢には微笑ましくも力強いものを感じます。相乗効果の発現可能性は∞(無限大)、今後の活躍を大変楽しみにしています。
なお、今回の支援も中小企業庁「ミラサポ事業」の無料派遣制度(最大3回)を組み合わせてご支援させて頂きました。企業規模の大小に関係なく、ヤル気のある中小企業には広く門戸は開かれています。世の中アベノミクスで一服感がありますが、経営環境が延べて好転という訳には行かない昨今、悩める経営者の皆様「もう…」と諦めず、「まだ…」と気持ちを奮い立たせ頑張って頂きたいものです。
2014年6~7月 商店街補助事業7件申請
中小企業庁「商店街よろず相談アドバイザー」業務を引き続き遂行中。第3次先行締切期限の6月27日までに、ソフト事業(にぎわい補助)も更に追加で4件サポートしたほか、今回はハード事業(まちづくり補助)も新規3件の申請支援を行いました。この間、当初の受け持ちエリアである山陰島根県西部に加え、盛り上がりに欠ける地元広島市の緊急プロジェクト・リーダー就任を中国経済産業局から要請され、(多忙を顧みず…)地元貢献の一助になればと新たに活動領域を広げて対応させて頂くことにしました。
支援先は次の5団体。①朝日町商店街振興組合(浜田市:ソフト)、②浜田駅前銀天街協同組合(浜田市:ソフト&ハード)、③協同組合グリーンモール(江津市:ソフト&ハード)、④大田町本通り商店会(大田市:ハード)、⑤祇園町商工会(広島市:ソフト)。このうち、④は既に4月にソフト事業申請済の団体で、大田市中心市街地の抱える一大問題である3年前に破綻した共同店舗「さんのあ」の危険建物撤去と再生計画という数億円規模の大掛かりなハード事業での申請エントリーとなりましたが、そのまま放置せざるを得なかったであろう街の大きな課題解決にお役立ちする機会に恵まれたことは有意義でした。こうしたケースは、全国的に昨今進みつつある大型店競争の行き着く先を象徴する先行例として受け止めるべきと警鐘を鳴らしたい。
経営改善計画(国認定事業)をコペルニクス的な大転換策にて完了
当事務所は昨年秋、国の中小企業経営力強化支援法に基づく「経営革新等支援機関」に認定されました。今年1月からスタートした経営計画等策定支援事業の第1号案件が5月末に初期の計画策定を完了しました。本事業については、※料金体系(参考)ページに記載の通り、金融機関からの支援に支障を来すレベルの重い財務上の問題を抱える中小企業を対象に国費補助2/3を受けられるという制度です。
こうした対象先のため事例内容の具体的な紹介は出来ませんが、今回のケースでは過去20年来の業績不振で債務超過額が数億円にも膨れ上がり、クライアント企業は勿論のことメインバンクも打つ手がなく混迷を極めていた案件で、何が儲かっていて何が足枷なのかすら関係者間の把握がバラバラな有様でした。こうした中、当方は徹底的に内部資料を掘り起こして、①商品別・販路別の収益構造分析(売上原価計算・ABC分析)、②人体健康模型図による成長戦略の策定と部門損益計画を積み上げてシミュレーションを実施。その結果、計画1年目で黒字転換が可能なこと、そして順調に計画通りの改革を進めていければ債務超過の一掃はおろか、9年後には現借入が全て返済可能というもの。このコペルニクス的大転換の施策には、メイン行の審査部門から“目からウロコ”というコメントもあったとか。
本案件では計画策定後3年間のモニタリング期間も応援することになっているため、折角作った計画を机上の空論に終わらせることのない様、今後も4半期毎に企業訪問によるPDCA実践活動の定着支援を行っていく予定です。数年後、優良企業に変貌した暁には“逆転ホームラン”案件の一つとして実名を挙げてご紹介できることを楽しみにしたいものです。
目利き能力養成研修を受託
古巣の㈱広島銀行(融資企画部)の要請を受け、私が同行退職後の16年間に体感してきた中小企業の経営改革・改善実務のエッセンスを指導する機会に恵まれました。研修名はズバリ「目利き能力養成」、5月・7月・9月に各2日ずつ計6日間で実案件を通した臨床体験を通して支援の勘所についてアドバイスさせて頂くという趣旨。このテーマは私自身銀行マン時代に限界を感じざるを得ず、脱サラ開業後一貫して目指してきたもので、銀行にとっても自分自身にとっても永遠の課題と言えるものです。
第1クール目にあたる今回は座学講座編。金融機関が監督官庁の金融庁から求められている不振企業に対する取引基準“10年以内正常化”を前提に、私が10年タームで経営指導に当たってきた製造・卸・小売・飲食サービスの各業種の事例から導き出される支援の勘所をレジュメに集約。ただ、私自身事例企業の一つ一つに思い入れが深く経営者の表情が変わっていく様(暗く青白い⇒好血色の明るい笑顔)が話しながらも想起され、脱線や長話の連続から予定時間を大幅にオーバー。事務局曰く「今年度の目玉研修」との御触れで、公募・セレクトで県外等遠方の支店から参集された少数精鋭の行員さんの一部に帰りの時間的支障が生ずるなどご迷惑をお掛けしてしまった点等、反省しきりで初回講義を終えました。
2014年4~5月 商店街補助事業3件申請
4月に任命された「商店街よろず相談アドバイザー」業務で、受け持ち担当地区の山陰島根県西部(浜田市・江津市・大田市)を奔走。本事業の最大ミッションである補助事業(まちづくり補助金[ハード]、にぎわい補助金[ソフト])の申請支援を行いました。
先月は所謂第2次先行締切期限の4月30日をターゲットに以下3市3商店街のにぎわい補助申請のサポートを完了。①浜田紺屋町商店街(新がんばる商店街77選にて全国紹介された有名商店街)、②江津万葉の里商店会(今年中の認定を目指す江津市中心市街地活性化計画の有力民間主体の一翼)、③大田町本通り商店会(締切1週間前に着手しながら爆発的なパワーを結集して超短期間で申請完結)、の3箇所ともに全国的に疲弊が進む商店街とは対極のヤル気に満ち溢れたメンバーが前向きな姿勢で参集されており、久し振りに「商店街まだまだ捨てたもんじゃないぞ!」との意を強めることが出来ました。
2014年3月 経営革新認定
今月は中小企業庁「ミラサポ事業」の無料派遣制度(最大3回)を利用頂いた「有限会社因島中央青果 村上八重松商店」の認定取得に係る支援事例を紹介します。公開情報は3月の中小企業経営革新計画認定企業(広島県庁経営革新課HP)参照の通りです。当社は昭和2年創業の因島最古の老舗卸売業者ですが、しまなみ海道(本四架橋)の開通以来、人口減少スプロール現象や島外大手資本小売業者の進出等による取引先の疲弊等から経営面で大きな課題を抱えておられました。本経営革新では、①自ら農業生産(川上)から直販(川下)までコーディネート役として係る地域農業の6次産業化支援、②空き倉庫を改修して人気のサイクリスト観光客向けの休憩・宿泊・交流施設を整備するなど、事業環境の変化を逆手に取った成長戦略を樹立されました。因島地域全体の元気発信リーダー会社としての今後のご活躍をお祈りしています。
2014年2月 経営革新認定
先月に引き続き2月の中小企業経営革新計画認定企業(広島県庁 経営革新課 公表分)をお知らせします。当事務所は今月も「ウエスト砿産株式会社」の認定取得に係る支援を行いました。申請社は墓石等石材の輸入卸売業者ですが、最終生活者の尊厳を意識した斬新な永代供養サービス(単祀型×集合墓)を開発されました。高齢化時代を迎えた私たち人間(ペットサービスも付加)の死生観に新たな視座を与えるニュービジネスとして発展されることを期待しています。
中小食品スーパーの復活作戦セミナー
2月19日広島市中央市場にて、広島市生鮮三品連絡協議会(幹事:広島市青果食品商業協同組合、後援:広島商工会議所)のご依頼による「生鮮三品強化で復活した中小スーパーの事例」セミナーの講師を務めました。事例編ではイオンvsイズミの流通激戦地である北部九州地区にて、売上激減と赤字経営に苦しんでいた地元店の業績回復に至る3~5年間に及ぶ支援の舞台裏を紹介。また、小生オリジナル戦略論に加え、スモールビジネスマーケティング、ブルーオーシャン戦略等の理論的背景を「小が大を制する経営戦略」として体系的に整理してレクチャーしました。