【vol.2:小売の輪理論~ヤマダ電機の壁~】

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【経営のプチ勘所vol.2:小売の輪理論~ヤマダ電機の壁~】
このところ対外業務の多忙から、後回しだった資格更新や諸整理に追われてます。
その1つが新聞の切り抜き整理。5月29日号の日経MJに「規模よさらばヤマダ出直し」の記事(※写真)がありました。
“安さ”で席巻してきたヤマダ電機が、不振37店の閉鎖に踏み切るに至った経緯が纏められていて興味深いもの。
記事には本タイトルの【小売の輪の理論】とは書いてないが、我々中小企業診断士にとって基礎的な理論にはまった状態。因みに、この理論は、人材の定着等から高コスト体質に陥ったかつての大規模店の足下を掬う形で、低コストな新興勢力がやはり大量販売パワーで“安さ”No.1の地位を奪取するという理論です。
つまり…価格.com等の低価格ネット通販が一般化したり、家電メーカーも海外勢との熾烈な競合を迫られ従来の販売奨励金(リベート)を積む量型の商慣行を見直す=質への転換など、周りの環境が大きく変わっているのに、ヤマダ電機は相変わらずのやり方をしてきて壁にぶつかった訳です。
記事には“サービスが悪いというイメージがついたヤマダの集客力は弱まった”とも。人件費を安くするための悪習…メーカー派遣員の強要やアルバイト店員の接客に不満を感じた顧客は私だけじゃないようです。だからでしょうが、“ヤマダ電機には各エリアで最も強い「地域一番店」が乏しい”とのコメントも。広島のエディオンのほか、大阪都心や秋葉原のヨドバシカメラ、池袋のビックカメラ、関西の上新電機、ヤマダの地元に近い茨城でさえケーズホールディングスに歯がたたないとある。

この記事から学べるのは、経営の基礎理論を理解しておくこと、量より質(多品種少量)の可能性、会社が大きくなるということでの社会的責任の拡大(ES従業員満足を含め)…など沢山あります。
私を含め中小企業診断士は、中小零細の味方!(大企業の味方をする必要はない)なので、耳障りの良い記事であることは間違いないのですが、他方では自己責任を全うすべきこともまた真実!
中小企業の皆さんには、呉々も大きいところがコケてラッキーという他人の褌で相撲をとるんじゃなくて、ちゃんと自助努力を忘れないこと!私たち消費者は良い商品・サービスしか必要とはしない訳ですから、キラリと光る良いお店を目指して頂きたいものです。

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