中小企業診断協会から『活躍されている独立診断士』について取材を受けました

中小企業診断協会からコンサルタントとして独立し…経験豊富な実務経験を持つ診断士の一人に選ばれ、『活躍されている独立診断士の実務について』の取材を受けました。Q&A形式でお答えするうちに、私自身にとっても20年近い歩みが想い出され良い機会になりました。独立間もない診断士、将来独立を考えている診断士さんに参考になれば幸いです。

質問①「コンサルタントとして独立してからの経過年数と独立するまでの経緯や独立前のキャリアなどお聞かせ下さい。」
【年数】来年で脱サラ独立後20年目を迎えます。
【経緯】中小企業融資に係る前職業務において、“過去から現在”までの信用力(業容・財務等)で判断せざるを得ない金融機関のモノの見方に限界を感じる中、“未来”を拓くモノサシを学べる中小企業診断士という資格に魅力を感じるとともに、自分の裁量で活きた企業支援を思う存分行ってみたかったから。
【前キャリア】㈱広島銀行に12年在籍していました。その間、営業店を3ヶ店(大河・尾道・海田)と関連シンクタンクの㈶ひろぎん経済研究所(産業調査・地域開発)への出向を経験しました。
質問②「得意としている業種やコンサルティング分野についてお聞かせ下さい。」
【業種】金融機関出身で基本的にどんな業種の企業にも対応してきたため、特に業種による選別はしていません。但し、未経験業種からのご相談を受ける際には、「業種別貸出審査事典」などの専門図書には必ず目を通し、見方・切り口のベースにすることを心掛けています。
【コンサルティング分野】事業としての成功の早道は自らの“強み”である計数面に特化すべきでしょうし、実際に最初のうちは依頼者側も銀行出身=財務指導という感覚をお持ちのようでした。しかしながら、私の起業動機は業績向上等の好ましい計数結果を導くためのあらゆる方策を考え提案していくことにあったので、敢えて遠回りして各種課題に向き合いながら幅広い領域のコンサルティング能力を身につける多能工の道を歩んでいます。近年ようやく、理想としていた民間企業向けの長期的支援業務のウェイトが高まり、PDCAサイクル全体を通した仕組みづくりなどの仕事を中心に回せるようになってきました。
質問③「質問②の業種や分野が抱えている問題点や課題と、それに対する中小企業診断士としての今後の関わり方などについてお聞かせ下さい。」
【問題点・課題】一般に中小企業は目先の問題への断片的な対処のみで、謂わば“縺れた紐が絡まった”かの如きジレンマに陥っているケースが少なくありません。これは経営資源の脆弱性ゆえに一面では仕方のないことかも知れません。
【診断士の関わり方】中小企業診断士はこうした悪癖を十分理解した上で、中長期の視点に立って根気強く“紐を1本1本解きほぐす”お手伝いをすべきと考えます。そのための十分条件として対象企業がコンサルフィーを支払えるという大前提もありますが、それ以上に我々が必要条件として問題の因果連鎖構造を紐解く洞察力を備えていること、且つ経営者を納得させて動かしていく説得力等々の能力を身につけておくことが不可欠と言えます。その点、診断士は黒子役であり、主役の経営者があたかも自らの才覚で困難を乗り越えたかの如く意識させることにこそコンサルティングの成功があると私は思います。
質問④「診断士としてスキルアップするために普段取り組んでいる事についてお聞かせ下さい。
【スキルアップの取組】中小企業診断士の資格を活かすも殺すも合格後の取組次第と思います。私は資格取得はゴールではなくスタートラインという認識のもとに、理想とする完成像に向かって日々知識の向上を図る毎日です。例えば、独立後暫く(5年程度)は毎年100万円以上かけて研修、視察、本の購読等自分に足りない知識を得るべくスキルアップを図りましたし、今も毎月テーマを持って経営名著や話題書の精読を続けています。
また、現在は民間企業向け長期的指導が中心業務ですが、独立以来ずっと薄謝と言われて敬遠されがちな公共相談等の短期的な案件も依頼があれば断ることなく引き受けています。その理由は、費用対効果からハイパフォーマンスが必須の民間案件と異なり、公共案件は多少のチャレンジが可能な場、即ち新たに培った知識を生身の企業に試し実践できる貴重な場だからです。
質問⑤「コンサルとして独立したばかりの頃の失敗談などお聞かせ下さい。」
【失敗談】昨日までサラリーマンだった自分が突然「先生」と呼ばれます。これで多いのが、自分が偉くなったかのような勘違いと言動に走るという話を多く聞きます。私の場合、大学の恩師から卒業時に「対象に謙虚たれ」との言葉を授かり、人生訓と心得て常に意識するようにしてきたので、そういう失敗はしませんでした。その代わり、どんな方の相談にも真摯に耳を傾ける姿勢が仇となり、ある時怪しい方に「先生」の肩書を利用(=悪用)されかけました。その件は関与先から情報がもたらされ事無きを得ましたが、皆さんも社会的影響力があるという点を考慮して騙されないよう注意してください。
なお、オマケに騙されたと言えば、独立時にお世話になった診断士資格養成校の講師業務で、同校の破綻が目に見えていながら生徒を抱える責任感から無給のまま半年近く業務を続け、結局講師料の未払い債権回収不能という憂き目にも逢いました。売上代金の踏み倒し事案は、後にも先にも唯一本件のみですが…。
質問⑥「独立したばかりの診断士や今後独立をしようとしている診断士の方に向けたアドバイスをお聞かせ下さい。」
【独立アドバイス】独立は多くの方が夢描きながらも、収入面を考えて思いとどまっておられることでしょう。結論から言えば、定年シニア世代以外の中堅若手層の皆さんについては、家族を含めた生活の安定からドロップアウトする覚悟のない方は止めておくべきと思います。私は共働きで独立前にはある程度の貯えがあったので、すんなり大幅収入減からのスタートを許容できる環境でした。ゆえに最初の5年間は売上が右肩上がりで精神的にも楽な気持ちで地歩を固めることが出来ました。それでもやがて頭打ちの段階に差し掛かると、繁閑格差などによる不安定な収入変動に左右されて精神的にも不安な気持ちに苛まれがちです。
そんな時こそ自己陶冶の出番で、自分は「時間の使い方」という概念を大事にして乗り切っています。例えば、更に良い仕事をするための充電期間として新たな深い勉強に取り組んだり、健康増進を図るための身体トレーニングやその延長での長期登山旅行に出掛けたりしています。要は目先の収入に一喜一憂することなく、人生という長いスパンの中で仕事のみならず家庭や趣味も含めたトータルの時間を充実させていくために、飽くなく前を向き上を目指していくことが大切だと思います。
なお、言うまでもないことですが、我々の仕事はサービス業なので常に顧客サイドからの「期待と評価」が関わります。即ち、低品質な仕事をすれば信頼失墜により事業の継続は覚束ないことと心得て、頂く謝金以上の成果を挙げるという考え方を忘れないこと。繰り返しになりますが、独立診断士の仕事はやり甲斐と面白さをストレートに味えるという醍醐味がある反面、不断の努力や非効率極まりない面も否めないので、人生安楽主義から脱却できない方は診断士資格を今の会社での出世や他の組織への転職等に有効活用する道を選択すべきだと思います。

広島県初の金融機関コラボ案件をコーディネート(日本公庫&広島県信組)

日本政策金融公庫が先日マスコミ発表し、注目を集めている新規事業の第1号案件として小生のコーディネート案件が採り上げられました。本件は現下の企業格付け的には非正常で厳しい経営実態にあるものの、客観的に実現可能性の高い事業再生計画の策定を条件として、政府系金融機関(日本政策金融公庫)&市中金融機関(広島県信用組合)が低金利で資金需要に対して前向きなコラボ融資対応を図る仕組みであり、広島県初のケースとして9月28日付 日本経済新聞 に掲載されました。

中小企業診断協会より「永年貢献中小企業診断士」表彰を受賞

平成29年5月20日に開催された広島県中小企業診断協会総会において、永年にわたる診断士としての活動が評価され表彰状と記念品を受理する名誉に与りました。
100名近い総会出席者の約3分の一の方は教え子にあたる診断士の面々…20年超の歳月を重ねてきたという実感(歳を取りました)が湧いてきて感無量でした。
永年と言っても私もまだ50代半ばですので、これを機に今後もより一層熱い気持ちを高めて中小企業の皆様へのご支援ならびに後進の若手診断士の養成に尽力させて頂きたいと存じます。

品質マネジメントシステムの大改訂(ISO9001:2015版の要旨)

私はこれまでISOに関しては知識フレームの一つ程度という立場を貫き、実務から距離を保った審査員補という傍観者的ポジションでこの資格の客観的有効性について批評してきました。なぜなら私の周囲のISO認証企業からは“やらされ感”や“振り回され感”といった否定的な声が多く聞かれており、私自身も経営や業績向上についてのマネジメント実務の場面ではJQA等の他の有効なスキームを優先採用してきました。
しかし、今回はISO専門委員会を中心としてこうした過去の信頼性課題に正面から向き合い諸改革が規定に折り込まれ、名実が伴った品質マネジメントシステムとして評価できる内容へと昇華しました。以下に2015年版大改訂の要旨についてポイントを整理します。これまでISOに形式的に取り組んできた企業の皆さま…既に継続を辞められた皆さまに、経営力アップへの道筋と積極的意義が伝われば幸いです。

1.規格改定の目的
国際規格ISO9001は1987年の初版発行以来、数回の改訂が行われ今回は4度目となる。2015年改訂は前回2008年改訂が“追補改訂”と呼ばれ、2000年に3規格統合によりQMS(仕事の進め方)としての有効性向上を目指した大改訂が図られて以来の大幅改訂とされる。その理由は、一部組織で品質保証に関するほころびが見られたり、認証の形骸化や他規格の氾濫などから本来の目的である「製品・サービスの品質保証を通した顧客満足の向上」が必ずしも達成されていない実情を鑑みてのことである。
そこで本改訂では規格の適用範囲は従来を継続しつつも、①認証の信頼性を確保するための要求基準の強化(新規追加要求事項は決して多くない)、②複数のマネジメントシステムとの整合化を容易にする附属書SLの採用、③2000年版モデルの基本であるプロセスアプローチとPDCAサイクルによる成果稼得を担保するリスクに基づく考え方の導入などが図られた。

2.他のISO:MS規格との整合化
ISO9001:2008年規格は8章構成となっていたが、2015年改訂規格では1.適用範囲、2.引用規格、3.定義の3章は従来と同じだが、4章~10章の項目が変更追加され全10章構成となった。その基準として採用されたのが共通テキストとされる附属書SL(謂わば“規格策定のための規格”)で、共通構造として章構成は当該上位構造に従った内容に改められた。
附属書SLは汎用的なマネジメントシステム規格(MSS)として、広範な産業分野に適用できる規定として、組織が特定の目的を達成するために必要な方針、プロセス、手順等を策定して体系的な管理ができるように要求事項や指針が定められている。当該規格構成による用語の統一や共通化が図られたことにより、既存の他のISOマネジメントシステムとの整合性が図られ、業種横断的な汎用性も増すことでQMS認証に対する社会の信頼感向上が期待される。

3.リスクに基づく考え方の採用、トップマネジメントのリーダーシップ強化
認証組織による事故・トラブルの発生はISO認証の信頼性を損なうものである。その原因は様々なものが考えられるが、根源にはトップ(社長・事業部長等)と現場との乖離やISOへの無関心ということが想定される。今回の改訂では「経営活動の流れの中で、通常行っている経営・事業分析同様に最低限の経営・事業分析を行い、その結果をインプットして、適用範囲や方針、目的・目標を決める」よう改められた。即ち、組織内外のリスク・機会を含む現状分析の上で、顧客のみならず利害関係者のニーズ・期待を理解して事業戦略を立てて実践するという経営活動との結びつきが明確になった。
事業に最終的な責任をもつトップが深く関与し、マネジメントシステムに組み込まれた活動としてリーダーシップ強化が図られることにより、QMSの有効性やパフォーマンスの評価・改善活動の担保が高まる。

4.プロセスアプローチ採用の強化
プロセスアプローチはISO9001:2000以降に採用されたが、本来のマネジメント上の重要性への評価に対し、要求事項との関係が曖昧だったため十分に理解されていない概念であった。本改訂では規格に不可欠な中核概念として、序文に「この規格はPDCAサイクル及びリスクに基づく考え方を組み込んだプロセスアプローチを用いている」と示され、当概念の追補説明とそれを補完する位置付けとしての「PDCAサイクル(注記から格上げ)」「リスクに基づく考え方(新規箇条)」の3つの関係説明が追加され、インプット・アウトプットの明確化、パフォーマンス指標の設定、プロセス責任・権限の割当て等が追加された。新箇条のリスク概念については、QMSの目的達成のために計画段階からリスクを考えることの重要性が謳われ、旧来の予防処置の改善まで求めた点でPDCAサイクルとの連動性が明確化した(PDCA自体は概ね既存内容を踏襲)。

5.パフォーマンス重視、結果重視
ISO形骸化の現象として囁かれていた“文書への振り回され感”を是正すべく、本改訂では記録の保持は求めるものの品質マニュアル等手順の文書化に関する要求が大幅に少なくされ、管理責任者の専任など責任・役割に関する要求も削除された。即ち、単なる「形式」を求めるのではなく、真の目的である「結果」重視して、製品・サービス、プロセスなどQMSの「パフォーマンス」を評価し、満足すべき成果が得られていない場合には「改善」を図る、謂わば自由度の反面の自助努力を重視するスタイルに改められたと言える。
一方でそれらの成果稼得に必要なQMS運用に必要な固有技術について「組織の知識」として新たな要求事項を求め、組織的な知識を特定するとともにその獲得・蓄積・活用の強化を図った。また、それら知識全てを自己完結できない実情を鑑み、外部の調達先(アウトソース)を含めた管理方式と程度を定めるなど外部提供者との関係重視も図られた。

6.サービス業への配慮、要求事項の明確化
2000年版からサービス業でも利用可能とする改訂が行われ、2008年版でも「製品にはサービスも含まれる」と内包定義が踏襲されてきたが、実際にはプロセスの妥当性確認、設計開発など製造業以外ではイメージしにくい項目が多数あり解釈もバラバラであった。本改訂では「製品」の定義からサービスを取り除き「サービス」はサービスとして定義し、両者を「製品及びサービス」と並記明確化された。また、両者を包含する用語“アウトプット”をプロセスの結果と定義づけ、サービスは“無形のアウトプット”で顧客との間で取り交わされるものと位置づけられるなど、サービス業等どの業種でも利用し易い汎用性が高まったと言える。
また、こうした概念の延長上にあった過去の不適合原因の一つ、作業に携わる人の度忘れや取り違えなど “ヒューマンエラー”の考慮が図られ、これら人に起因するルールからの逸脱防止も要求事項に追加されるなど有効性向上も期待される。

日本販売士協会:平成27年度登録講師論文「最優秀作」を受賞

日本販売士協会の登録講師論文最優秀作(1点)に、私の論文「地域密着による中小店舗の復活戦略~北部九州流通戦争を生き残った地元共同店舗の再生事例より~」が選定されました。平成28年3月11日(金)に東京都千代田区のエッサム神田ホールにて開催された入選者表彰式では、大島 清会長(千疋屋総本店代表取締役社長)より立派な表彰盾を授与され、小林二三夫選考委員長(横浜商科大学教授)からは”門外不出の実践的ノウハウに溢れた稀有な秀作”との過分な賞賛コメントを頂戴し身に余る光栄を覚えました。なお、論文内容は「2016年販売士 3月号」に全文掲載されております
■論文講評(※以下:原文通り)■
地元共同店舗が地域密着戦略により、大手流通チェーンとの激しい競争に生き残った事例について、その再生の状況を順を追って記述されている。
まず、周辺の競合店舗が生鮮食品まで品揃えをしている状況があり、共同店舗との過当競争が厳しくなっている。現状分析をすると、脅威や弱みは多くあるものの、機会としての高齢化と健康への関心、強みとしてのお客様とのコミュニケーションが良好なことなど、確認することができている。
そして、基礎力の養成としての勉強会を行うことで、「単価×数量」の考え方が浸透していった。また、戦略の設計では、地域密着の良さを生かすために、一店逸品運動を行う。その過程の中で商品開発会議を開催することで一体感が生まれた。
次にブルー・オーシャン戦略の戦略キャンバスを使用し、強みを再評価して訴求ポイントを明確化した。さらに、チーム制の実践マネジメントを行い、現場からの参加型のPDCAの仕組みづくりを行った。このような活動の中で鮮魚売場や青果売場から積極的な動きが現れ、お客の来店頻度が増え業績が改善していった。
再生へ向けてのストーリーがよくわかる論文であり、評価できる内容である(一般社団法人日本販売士協会)

日本経営品質賞アセスメント基準の再改訂(2016年度)

JQA日本経営品質賞は、顧客の視点から経営を見直し自己革新を通じて顧客の求める価値を創造し続ける組織を表彰することを目的として、1995年12月に世界基準の経営品質向上プログラムを導入・創設されました。その後、20年の歳月を重ねる中、時代の変遷に適合するため″ものさし″であるアセスメント基準書が幾度となく見直されており、今回は前回2014年度以来の改訂で経営を「部分」ではなく、より「全体」として振り返ることを促進する視点からの改訂ということで、″全体最適″支援を標榜する当事務所の基本的考え方に更に近づいたものと自認します。
経営を見る視点であるCat.カテゴリーについても、前基準のCat.1「リーダーシップと社会的責任」がCat.1「リーダーシップ」Cat.2「社会的責任」に分解され、Cat.3「情報マネジメント」が他のカテゴリーに吸収され《組織》フレームから外れるなどの骨格の変更がなされたほか、これまでの矛盾点や重複箇所等が整理統合されて全体的にわかり易く簡潔明瞭なものになったとの印象があります。
なお、Cat.7「活動結果」の配点は400点から450点に高まり、1,000点満点の45%が業績を中心とした経営成果で評価されるという点は、一朝一夕の短期的な取り組みではなく中長期の継続的な革新努力の結果として優れた経営が実現するという至極当然の評点アップと捉えられます。

「てごねっと石見」(江津市)が地域再生大賞に選出

 1月25日の中国新聞に江津市の「てごねっと石見」が地域再生大賞を受賞との記事が掲載されました。本賞は深刻化する地域の疲弊に挑む団体を、地方新聞45紙と共同通信社がネットワークで取り上げ、エールを送ろうと2010年度に設けたもので、今回が第5回目の表彰となります(※新聞記事下掲)。
 私は、国の商店街よろず相談アドバイザーの業務を通して、江津駅前の「江津万葉の里商店会」支援の一環として、同会青年部と一体となって活性化の原動力を担う若手NPO法人組織「てごねっと石見」の主要メンバーと知り合い、ふるさと再生への彼らの熱い想いに共感しました。当時、NPOの事務局長で現在は商店会長となられた江津市出身の藤田貴子さんは、東京、広島での会社勤務を経て13年前に郷里に戻られ、ご主人とともに7年前から駅前でワインバーを経営する傍ら駅前活性化に着手。2011年のNPO法人創設とともに、廃墟化していた巨大ビルを中心に多数の周辺空き店舗群の再活用を模索、ビジネスプランコンテスト等の各種企画に実践を通じて、この2年間に13店舗もの創業出店を実現されました。
 江津市では現在、より広域的な活性化策としての中心市街地活性化基本計画の策定と国への申請を進めておられますが、こうした駅前商店街の人的エンジンが元気な江津市の再生への期待度は高いと言えます。アベノミクスの3本の矢として注目される地方創生に向けたモデル事例としても、近県の皆さんご注目並びに時々遊びに行って(お金を落として)応援してあげてください。
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広島ガス高田販売㈱がJQA日本経営品質賞「経営革新推進賞」を受賞

 11月17日付で日本経営品質賞委員会(委員長:福川伸次 地球産業文化研究所 顧問)から、2014年度「日本経営品質賞」受賞組織が発表されました。本賞は顧客視点から経営を見直し、経営革新を進めるモデルとして相応しい組織を全国レベルで表彰するもので、今年度の日本経営品質賞(大規模部門受賞)組織として、社会福祉法人こうほうえん(鳥取地区)が選定されたほか、私が永年顧問として関与させて頂いている広島ガス高田販売株式会社が経営革新推進賞(中小企業部門受賞)に選ばれました。その他の受賞組織は、同じく経営革新推進賞に医療法人清和会長田病院、経営革新奨励賞に社会福祉法人正友会となっており、医療福祉事業者が多数を占める中、広島ガス高田販売㈱は唯一の一般企業として異彩を放つ存在として注目されました。
 私と同社とのお付き合いは2006年4月に始まり毎月2日間の訪問指導を行う中で、同年12月に社内セミナーにて経営革新について社員研修を実施し、翌年から「日本一の地域密着企業を目指す」というJQAチャレンジへの歩みがスタート。住吉峰男社長の号令のもと、先ずは腕試しとばかりに2007年度早速に中国地方経営品質賞へ応募、①チャレンジ部門敢闘賞を受賞(審査総括C+評定)。2011年度から全国への挑戦へと歩を進め、同年の②経営革新奨励賞(中小企業部門)を受賞(審査総括B-評定)。そして今回は③経営革新推進賞(審査総括A-評定)の受賞と相成りました。謂わば最初の受賞が地方レベルでの“努力賞”、次が全国レベルで“銅メダル”、今回が“銀メダル”と進化し続ける広島ガス高田販売㈱の前途は明るいものと確信しております。こうした会社成長の歩みを共に実感できる機会を与え続けてくれている住吉社長の片腕(軍師)として、私自身社員の皆さんと一緒に3年後(?)の“金メダル”を目指して一層の覚悟を持って鋭意精進に勤しむ所存です。
なお、今年度の表彰セレモニーは、2015年2月19日(木)・20日(金) に東京ビックサイト(東京・有明)で開催の「顧客価値経営フォーラム」で予定されております。広島ガス高田販売㈱が僅か10年足らずで大賞が狙える位置まで来られたことを鑑みるにつけ、ぶれない方向性の下に一丸となった努力の積み重ねがいかに重要か指示していると思います。今に諦めるのではなく、将来の夢に向かって地道な仕組みづくりを目指そうとされる企業経営者の皆様、時間が許すなら是非フォーラムへ参加してみては如何でしょうか。

地域金融の明日 広島銀行「目利き能力」養成記事が掲載

 今年、私の古巣で出身銀行である㈱広島銀行(融資企画部・人材開発室)の依頼を受けて指導中の「目利き能力養成研修」について、池田晃治頭取が中国新聞のインタビュー記事「地域金融の明日」2014年9月9日朝刊で紹介されました。記事見出しは「中小企業育て市場拡大」で、池田頭取は企業の強みを見極める「目利き力」のある行員を育てているとのコメントを寄せられました。
 そもそも銀行員にとっての企業支援の限界を感じて16年前に独立して以来、銀行出身の自分ゆえに常に限界も…可能性も…両面を意識しながら実務支援に携わってきた経験・ノウハウの集大成をフィードバックできる喜びとやり甲斐を自覚できる研修指導。取引先企業数社を題材に、ヒアリング等の情報収集と分析からスタートし、経営課題の解決策(短期)、成長戦略の策定(中長期)へと”生きた材料”の料理方法をグループワーク指導により徹底考察して”答えを見出す”という実践スタイルだけに、本気がぶつかり合う臨場感のある研修会となっている。
 9月頭に第1期生上期研修(5月~9月)が終わった矢先での新聞掲載記事。来月からは第2期生を集めた下期研修(10月~1月)が始まります。主催部署が予てより今年度の”目玉の研修”という発言を繰り返しておられるだけに、指導担当者として一層気を引きめて行員さんのレベルアップに貢献できるよう努力したいと思います。
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商店街よろず相談アドバイザーを拝命

昨日(4月9日)、中国経済産業局にて「第1回 中国地域 商店街よろず相談アドバイザー連絡会議」が開催されました。中小企業庁商業課の言葉を借りると“(昨年度来)今しかない手厚い措置”として【まちづくり補助金(ハード)】【にぎわい補助金(ソフト)】の総予算規模は480億円。小生は全国の頑張る商店街選集に掲載された100を超える有名処を視察(沖縄県以外はほぼ訪問)して来ましたが、そうした所謂活性化地域でさえ一部の大都市中心部を除いて賑わい創出は決して容易ではない実情を勘案するにつけ、今回の大型補助事業の活用は疲弊する地方の中小商業集積再生に向けたラストチャンスかも知れません。
 本事業は従来の補助対象とされてきた法人格を持つ商店街振興組合以外にも、任意の商店会等組織や商工会・商工会議所にも受け皿の枠が広げられたことは画期的な裁量措置でもあります。私に与えられた担当地区は島根県西部の浜田・大田・江津エリアということなので、広島とのご縁も深い山陰の頑張る各種団体の皆様のため活性化に向けた伝道師の一人として微力ながら貢献できれば幸いです。